「王子さまの耳はロバの耳」はギリシャ神話に含まれる物語からできたお話です。「王さまの耳はロバの耳」という名前の方が有名ですが、内容の一部が大きく異なるお話が多数存在しており、主催はどれが最も一般的な内容なのか判断できかねませんでしたので、当一覧サイトで(勝手に)紹介させて頂いている、福娘童話集様のお話しの内容に限定させていただきます><イメージと異なっていた場合大変申し訳ありません。

 

作品:王子さまの耳はロバの耳のざっくりとしたあらすじ(参考→福娘童話集様。

 

  1. むかしむかし、子どものいない王さまとお后さまは三人の妖精(ようせい)を呼んで、子どもを授けて欲しいと頼んだ。すると三人の妖精は願いを叶えることを約束し、ひと月が過ぎると、お后さまに王子が産まれた。再び現れた三人の妖精は、魔法の力で王子に贈り物をすることにした。一人目の妖精が美しさを、二番目の妖精が思いやりと賢さを言った。すると三番目の妖精は言おうと思っていた事を、前の二人が言ってしまったため続く言葉に困ってしまった。悩んだ末、三番目の妖精は王子がいばらないためにロバの耳が生えるようにお願いをしてしまった。それを聞いた王さまとお后さまは驚いて、願いを取り消してほしいと頼んだが、妖精の言葉は、一度言ったら取り消す事が出来ず、三人の妖精は帰ってしまった。
  2. それから間もなく王子の頭から、ロバの耳が生えてきた。王さまは、ロバの耳を持っているとわかったら、国民の笑い者になると考え、耳をすっぽりと隠してくれるボウシを作らせ、朝から晩まで、ボウシを王子にかぶらせた。
  3. やがて王子は妖精の願い通り、美しく賢い王子になり、ロバの耳も大きく立派になった。王子は生まれてから一度も髪の毛を切った事がなかったので、ボウシがパンパンになってしまい、ついに王様は床屋に髪を切るよう頼んだ。
    床屋は王子の耳がロバの耳である事を知ると、人に話したくて話したくてたまらなくなったが、王さまに「ボウシの下に見た物を人に話したら、命はないものと思え」と言われたため必死に約束を守る。
  4. ある日、耐えきれなくなった床屋は教会へ行き、神父に言えない秘密があることを相談する。すると神父に穴を掘って、その穴の中へ持っている秘密を何度も叫ぶことをアドバイスされる。そこで床屋は谷へ行き穴を掘ると、「王子さまの耳は、ロバの耳! 王子さまの耳は、ロバの耳!」と、何度も何度も叫んだ。胸の苦しさが消え、喜んだ床屋は掘った穴に土をかぶせると、家に帰った。
  5. しばらくすると、床屋が秘密を埋めたところからアシが生えてきて、そこへやって来たヒツジ飼いがそのアシで笛を作った。ヒツジ飼いがアシの笛を吹くと、笛は一人でに、「♪王子さまの耳は、ロバの耳。♪王子さまの耳は、ロバの耳。」歌った。
  6. この話は、すぐに国中に広まり、とうとう王さまの耳にも届いた。王さまはヒツジ飼いにアシの笛を持って来させ、吹かせてみると笛は、「♪王子さまの耳は、ロバの耳。♪王子さまの耳は、ロバの耳。」と歌った。王さまが、アシの笛を吹いてみても、同じように歌う。王さまは床屋を呼び、秘密をしゃべったかどうか聞くと床屋は正直に、穴を掘ってその中に秘密を大声で叫んだ事を話した。
  7. カンカンに怒った王さまが、家来に床屋の首をはるね様に命令した時、王子が出て来て「床屋には罪はない、わたしの耳の事は、もうみんなが知っているから、今さら、隠している必要はない。」と、言って、かぶっていたボウシを取った。
  8. ところが不思議な事に、王子の頭には、もうロバの耳はなかった。自分の秘密をしゃべった床屋の命を救った、この立派な王子には、いばらない様にする為のロバの耳は必要なかった。
    そしてその時から、あの笛も、「♪王子さまの耳は、ロバの耳。♪王子さまの耳は、ロバの耳。」と、歌う事はなくなった。